一文字流斬岩剣…第2巻 10話 | ||
世に燈篭切りといふ
江戸時代
剣聖とうたわれし
一文字流
神泉正宗が
家康に請われ
一度だけ御前にて
石燈篭を一刀両断
世間を驚かせたといふ
以来 三百余年 剣道界に於いて 幻の業とされ これを極めたるもの なし 余談ではあるが 不可能を可能にする意の "魂剣石をも斬る"といふ ことわざは これをいふなり 一九〇五年民明書房刊「剣史記」より | ||
男塾名物「羅惧美偉」…第3巻 24話 | ||
その起源は
遠くヨーロッパ中世
ラグビー発祥の地
イギリス・イングランド地方に
あるという
その頃 王侯たちの間で ラグビー(その原型というべきか)の チームを持ち 競いあう事が流行し 自分のチームを強くする為に そのような残虐な練習方法が いくたびか行われたと記録にある 民明書房刊「ヨーロッパ中世スポーツの起源」より 【管理人注:15対15で全員が毒を飲んだ状態で行う。解毒剤を取り出すための鍵入り鋼鉄製ラグビーボールを奪い合う。武器の使用は自由。】 | ||
男塾血誓痕生…第4巻 31話 | ||
その由来は
中国大陸をかけめぐり
その勇猛果敢なことで名をはせた
蒙古ジンギス汗の一族が
仲間に戦士したものがでると
おのれの腕にその名を刻み
永遠の復讐を誓い
必ずカタキをとったという
故事にちなむ
近代日本でも 極道社会に於ては 殺された親分の名を 腕に刻み復讐を誓う 風習が残っているという 民明書房刊「日本風俗奇譚」より | ||
大鐘音エール…第4巻 32話 | ||
その由来は
戦国時代
武田信玄が上杉謙信との
合戦に於いて どうしても
援軍にいけず
苦戦におちいってる遠方の
味方の兵をはげますために
自陣の上に一千騎の兵を
ならべいっせいに大声を出させ
檄を送ったという故事に由来する
その距離はおよそ二十五里
キロになおすと100キロ離れていたと
いうから驚嘆のほかはない
余談ではあるが 昭和十五年の全日本大学野球選手権に於いて W大応援団のエールは 神宮球場から池袋まで 聞こえたという記録がある 民明書房刊「戦国武将考察」より | ||
昇龍風(しょうりゅうふう)…第4巻 33話 | ||
俗にいう昇龍風…
気象学上は
主に標高二千メートル
以上の山の北斜面
断崖絶壁に於いて
発生する風速百メートル以上
の上昇気流をいう
一九二四年 スコット大佐の 率いる英国 エベレスト登山隊の 一員がその北壁に於いて ザイルが切れ危うく 一命を落としそうに なった時 この昇龍風によって 救われたという奇跡は 登山家の間では あまりに有名な話である 民明書房刊「世界気象大鑑」より | ||
盤隆氷(ばんりゅうひょう)…第4巻 34話 | ||
氷洞の中で
急激な高低温度差に
よってできる
きのこ状の氷の隆起
巨大なものは
直径二十メートルにも
なる
北海道不知火近くの
氷洞に数多くみられる 民明書房刊「氷の科学」より | ||
怒粧墨(どしょうぼく)…第4巻 36話 | ||
中国唐の時代
山東省の拳法家達が
好んでいれた入墨の一種
体温の上昇にともなって
浮かびあがるよう特殊な
墨を用いて彫ってある
そしてその効用としては
相手を威圧する以上に
体表細胞組織の
密度を高め
皮膚を硬質化させる
ことにあったという 民明書房刊「肉体の神秘」より | ||
天縄闘(てんじょうとう)…第5巻 38話 | ||
蜘蛛の巣状に
はられた石綿縄の
八方から火をつけ
その上で闘う
中国漢代後期 今の河北省を中心とする 武闘家達の間で さかんに行われた 当初は地上に櫓を組み なされていたが 次第にエスカレートし 大仙峰の火口で 行われたという 記録も残っている そのあまりの危険さに 唐代には時の皇帝によって 禁止令が発布されている 余談ではあるが 絶体絶命の窮地に 追いこまれる意味の 天縄境場に入るとは ここから意を発する 民明書房刊「中国武術大覧」より | ||
蛇轍槍(じゃてつそう)…第5巻 39話 | ||
室町時代後期
希代の槍の達人といわれた
辺見鉄山によって
考案されたという
中国の十節棍に
改良を加えた
変幻自在の仕掛槍である
鉄山没後
多くの武芸者達が
これを極めようとしたが
その操作性の難しさ故に
修得しえた者はいないという 民明書房刊「戦国武芸者往来」より | ||
六忘面痕(ろうぼうめんこん)…第5巻 40話 | ||
二世紀 中国漢代後期
大罪を犯した咎人に
科した刑罰のひとつ
考・忠・信・義・仁・礼の
六つの徳を忘れた
反逆の徒という証に
左右あわせて六条の傷を
顔面に切り刻んだという
現代でも 不逞の輩を指して 忘六者というは これに語義を発する 民明書房刊「古代刑法全」より | ||
盥支蠟(かんしろう)…第5巻 44話 | ||
頭上に
なみなみと油の入った
タライを
もちあげる
そのタライの油面に 極めて不安定な 木端にのせた 蝋燭を浮かべる タライを少しでも 微動させれば 蝋燭は倒れ 火だるまとなるは 必定である 明治維新直後 その熾烈過酷さの 教育で猛名をはせた 三の関兵学校に於いて 体罰のひとつとして 行われたという 民明書房刊「教育と体罰」より | ||
鎮守直廊(ちんじゅちょくろう)…第5巻 44話 | ||
中国清代
東の大林寺と並ぶ
西の空嵐寺に学ぶ
拳法家達が
その修行を極めた
者としての証として
最後に挑戦した
本殿まで一直線状にのびた 直廊の中は いくつかの房に区切られ そのひとつひとつに 仕掛けや番人がおり そこを通りぬけた者だけに 修行証が授けられたという 民明書房刊「中国武術大覧」より | ||
天稟掌波(てんぴんしょうは)…第5巻 46話 | ||
中国武術三千年の歴史を誇る
南朝寺教体拳
最大の秘技とされている
この技を極めたという明代 最高の拳士林 周明は 百米頭上を飛ぶ鳥を 気合いもろとも 一閃のもとに落としたと 伝えられる これから俗に 落鳥拳とも呼ばれている 因に林 周明は 料理人としても 当代随一といわれ この天稟掌波で 落とした鳥は 肉が よくしまり これで 作られた料理は 最高の宮廷料理 として珍重された 現代でも最高の鳥肉を テンピン肉というはこれなり 民明書房刊「中国三千年の歴史に学ぶ現代人の知恵」より | ||
謝砕節(しゃさいせつ)…第6巻 47話 | ||
中国宋代(十二世紀)
拳闘士の決闘などで
勝利の証に
勝者が敗者の
両手の指を
第一関節から全て折り
(食事だけはできるように
右手の親指と人差し指
だけは残したという)
拳を一生使えなくして
封じたという
肉体的苦痛も さることながら その精神的屈辱感は 筆舌に尽くしがたい ものがあったろう 民明書房刊「亜細亜刑史大系」より | ||
爆挺殺(ばくていさつ)…第6巻 50話 | ||
戦国時代一二五七年
濃越の国主
豊善長友の守定兼と
習野の国主
黒羽行康の
松ヶ原合戦の折
一進一退の膠着状態を
打ち破らんと
黒羽軍侍大将
江藤新兵衛が
単身火薬を背に
敵の本陣に突入し
身を挺し自爆
見事敵将長友の
首級をあげたという
必殺必死の奇襲戦法である 民明書房刊「戦国異聞記」より | ||
愀象刀(しゅうぞうとう)…第6巻 52話 | ||
古代インド・マウリヤ王朝
の英雄グンジーが
用いたといわれる
刃渡り5メートル
重さ約50キロの豪刀
グンジーはそのひと振りで
象をもまっぷたつにしたと
いうことから
この名がついた
現代でも インド・パンジャブ地方には この英雄を讃えて 秋には愀象祭が おこなわれる 英学館刊「インド 母なる大地を往く」より | ||
鬼達磨刺青(トーチントウ)…第6巻 53話 | ||
中国唐の時代
当代随一の拳法家と
いわれた英翔珍が
河北省の猿孫という拳法家と
御前試合で戦い敗れた
英翔珍はその屈辱を晴らすべく
次の試合に必勝を期し
鬼達磨のイレズミを彫り
片方だけ目を入れ
三年後再び猿孫と戦い 見事勝利し
両目を入れたという故事に因む
そしてこの風習はいつしか
武道家や兵士の中にもひろまり
いつまでも両目を入れられない者を
片丹者(ぺーたんもの)といって蔑んだという 英学館刊「中国武闘三千年」より | ||
灼赤棒(しゃくせきぼう)…第6巻 53話 | ||
今からおよそ一千年前
騎馬民族として
その勇名をはせた
蒙古人の決闘の儀式の際に
用いられた
その青銅の棒を灼熱させ
両者が握りあうことで
お互いの闘志を
確認しあったという 英学館刊「騎馬民族の逆襲」より | ||
勝利賽子(しょうりシャイツ)…第6巻 54話 | ||
戦国時代希代の名将と
うたわれた武田信玄が
考案したと伝えられる
寿・吉・勝・祝・喜・生の六文字を
それぞれ六面に書き入れたサイコロを
頭上高くに投げ 表に出た文字によって
戦の行方を占ったといわれる
しかし どの面がでても 勝利を暗示する文字が書かれているわけで いうなれば出陣の景気づけの儀式である 英学館刊「武家社会に於ける風俗・迷信」より | ||
八竜の長城(パーロンのちょうじょう)…第6巻 54話 | ||
八竜の長城は今から約千年前
中国宋より渡った洛彪大師が
拳法を日本全土に広めるため築城した
剣術・柔術・空手道あらゆる武芸修行の
総本山であったと伝えられる
常に堅い秘密主義のもと 歴史の表面には決して姿を見せぬが 歴史にその名を残す多くの武人達が この伝説の長城を修行の場として 鍛錬したという この長城の存在は 二十世紀になってからは文献にあらわれることもないが 現代にもまだ存在するという一部学者の説もある 興陽大学名誉教授歴史学博士 中津川大観著 時源出版刊「二十世紀の秘跡」より | ||
磁冠百柱林闘(じかんひゃくちゅうりんとう)…第6巻 55話 | ||
中国宋代
四川省拳法家達によって
盛んに行われた異種格闘技
当時は杉木立の枝をはらい
頂部を切断して
その切口を足場とした
その杉は最低でも高さ十五米以上
直径は十センチから
三米までと変化に富み
落下しようものなら
即死はまちがいなく
まさに命がけの
勝負であった
後に四川省青陽山で 強磁石が発見されるに至り 杉の頂部に鉄板をかぶせ 磁靴をはき 二名対二名で闘う磁冠百柱林闘が 完成した 千変万化の中国格闘技にあっても この磁冠百柱林闘は最高の技量と チームワークを要求される 高度な闘いのひとつである 現代のプロレスに見られるタッグマッチは この磁冠百柱林闘を彷彿とさせる 中津川大観著 時源出版刊「偉大なる中国拳法」より | ||
百人毒凶(ひゃくにんどくきょう)…第7巻 58話 | ||
中国拳法家史上
その暗黒の流れとして
恐れられた殺人拳法
魍魎拳の修行の証として
おこなわれた
これに挑戦する者は試合前に
福建省産出銀殉丹という
遅効性毒物を飲み
10人一組を相手に十対一の組手をおこなった
そして十人打ちまかすごとに
その毒物に対する十分の一の解毒剤が与えられ
十組百人を打ちまかしたとき初めて
命がたすかることになる
時がたつにつれて 毒で体が弱ってくるのはもちろん 百人からの拳法士全員を 打ちまかすのは 並はずれた体力と技量を 必要とするのはいうまでもない 迫りくる死の恐怖の中で 人間の精神 肉体の 極限を究める壮絶な 試練である それを成し遂げた者は "無双士"の称号を与えられ 真の勇者として 畏怖と尊敬の対称【管理人注:対象】とされた 中津川大観著 時源出版刊「中国拳法裏面史」より | ||
烈舞硬殺指(れつぶこうさつし)…第7巻 59話 | ||
中国拳法家史上
その暗黒の存在として
恐れられる魍魎拳法
最大の奥義である
これを修行し極めんとする者は
底が厚さ三十cmある御影石で
できた石槽に 骨をも溶かす
竜硝酸を満たし 一月ごとに
その濃度を一%ずつ濃くしていき
底の石を割ろうとした
日に何万回と突きをくりかえし 修行すること十年 濃度百%に達した竜硝酸に耐える スピードが拳についたとき 底石ははじめて割ることができる という 多くの者は途中でその指をつぶし 底石を割れる者は万人にひとりも いないといわれる 中津川大観著 時源出版刊「中国拳法裏面史」より | ||
万人橋(ばんじんきょう)…第7巻 62話 | ||
戦国時代
武田信玄と
松山勝善の
合戦の折
窮地に陥った主人
松山勝善を助けるべく
侍大将楠清久は
援軍をひきいてむかった
しかし松山勝善のたてこもる
高楼山へいく途中にある
雛谷の橋は敵の手によって
落とされていた
そこで楠清久は一計を案じ
中国の兵法書「武鑑」にヒントを得た
人橋をかけ 谷を渡った
この時人橋となった者 三十人は 味方の兵を 渡しきったあと ことごとく力尽きて 谷に落ちたという その後松山勝善は この三十人の勇者達を 讃え そこに高楼三十塚を 建立した 現代でも橋を建設する時は 工事関係者がこの塚に 参拝し工事の安全を祈願する 習慣がある 中津川大観著 時源出版刊「戦場にかける橋」より | ||
竜盆梯网闘(りゅうぼんていもうとう)…第7巻 65話 | ||
中国拳法完成期といわれた
明朝末期盛んに行われた
二名対二名で闘う
連帯組手(現代でいうところの
タッグ・マッチ)の一種
直径三十米の大器に
なみなみと濃硫硝酸を満たし
その上に長さ二十五米の梯を組む
この梯は山東省白新山で伐採された
非常に軽くもろい老柔【管理人注:ラオロウ】杉でつくられ
三名以上が同時にその上にのると
割れ落ちるように強度が計算されている
つまりその梯の上で闘えるのは両軍一名ずつで
選手が交替する場合は 今まで
闘っておった者が この梯を完全にでてから
次の者が入らねばならない仕掛になっていた
なお余談ではあるが 現代でも この老柔杉を 用いて家屋を 建造することは 強度不足の為 法によって厳しく 取り締まられており 安普請の貧乏屋を さして"ラオロウ"というのは この所以なり 民明書房刊「鉄拳記」より | ||
血闘援(けっとうえん)…第7巻 66話 | ||
江戸時代 生命と名誉を
賭けた御前試合などで
肉親や友人などが
声を出して応援できぬため
胸に"闘"の一文字を刻み
身をもって闘士と
苦しみを同じくし
必勝を祈願するという
応援の至極である
その起源は遠く
鎌倉時代に伝わった
中国の兵法書「武鑑」に
あるという
しかしその胸の傷字は
一生残る為
これをするには
よほどの覚悟と
相手を思う気持ちが
必要であることは
言うまでもない 民明書房刊「武士魂」より | ||
千条鏤紐拳(せんじょうろうちゅうけん)…第8巻 68話 | ||
中国拳法史上その暗黒の流れとして
恐れられた殺人拳法魍魎拳と
その勢力を二分した
戮家秘伝の拳
目に見えぬほど細いが
恐ろしいほど鋭く
研ぎすまされた
刃物のような
鋼線をムチのように
自在に操る
技である
その細さと 空気抵抗のない スピードのため 肉眼でとらえることは不可能 そして その威力は骨をも寸断すると いわれる 民明書房刊「戮家その全貌」より | ||
死穿鳥(しせんちょう)…第8巻 73話 | ||
中国雲南省原産
鷲鷹科の猛禽
その性質は極めて攻撃性に富み
その特徴的な鋭い嘴で
獲物の急所をたくみにねらい
時として牛馬をも倒すという
明朝末期 拳法家の宗大源は これを飼いならし 嘴に速効性の激毒を塗り 殺人鳥にしたて それに 己の拳法との同時攻撃という 得意な死穿鳥拳を完成させたと伝えられる 民明書房刊「世界の怪拳・奇拳」より | ||
練活気挿法(れんかつきそうほう)…第8巻 75話 | ||
人間はどんなスポーツ選手でも
自己の潜在的肉体能力を
50~60%しか使用していない
という
この気挿法の目的は
自己催眠をかけることによって
精神的な集中力から
自らのもつ
体能力を瞬間的に100%ひきだすことにある
通常自己催眠に至る方法としては 種種あるが 密九教の呪文を唱える ことが多い 現代でも重量上げ【管理人注:挙げ】など 瞬発的なパワーを要求される スポーツの超一流選手達の中には この法を人知れず体得実践している 者がいるといわれる 民明書房刊「肉体の神秘とスポーツ」より | ||
鼯樵蘂拳(ごしょうずいけん)…第8巻 76話 | ||
鳥慶漢で発祥した拳法
鳥慶族は少数民族であったため
他民族や外敵から身を守る手段として
木の上に住む樹上生活者であり
この拳法があみだされたのは極めて
当然の成行きであった
その特長はムササビの動きを模した
形象拳であり 木立などの高所での
戦いを得意としていた
その空中自由自在のすさまじい 攻撃力の恐ろしさから この地には決して余所者は 近づかなかったという 民明書房刊「奇跡の鳥慶漢」より | ||
黒闇殺(こくおんさつ)…第9巻 79話 | ||
全く目のきかぬ闇夜や暗い屋内での
殺傷を目的とした暗殺拳
この修行方法としては 目隠しをして 禅を組み
他の者に針を地に落としてもらい
その気配を察知することから始まる
始めは耳元から だんだん距離を遠くし
最低でも十Mの距離から
針の気配を察知できねば
この拳は極められないという
つまり聴覚視覚など五感はもちろん 大切なのはその場の微妙な空気の 動きをよむ とぎすまされた 超感覚を養うことにあるのである 民明書房刊「世界の怪拳・奇拳」より | ||
分子核構造…第9巻 81話 | ||
この世に存在する全ての物体は
分子の集合によって成りたっている
その中でも鉱物は特異な構造をもち
その分子集合体の凝集力の一番弱い箇所に
衝撃を与えると その分子間の連鎖反応により
極めてたやすく 物体は破壊される
この物体の臍とでもいうべき箇所は
学術的にプルッツフォン・ポイントと呼ばれる
例えば地球上で最強の硬度をもつ
ダイヤモンドにおいても
そのプルッツフォン・ポイントを見極めれば
鑿の一撃で 一瞬にして粉ごなにすることも
可能である
しかし物体のこのポイントを見つけることは 至難の技であり 先に例をだしたダイヤモンドの カット職人でも 30年近くの修行が必要という 民明書房刊「分子核構造その理論」より | ||
宙秤攣殺闘(ちゅうびんれんさつとう)…第10巻 89話 | ||
長い伝統と歴史をもつ
中国拳法史上にあっても 唯一度だけ
行われたという史上最凶の戦い
明朝末期の一六一五年二月二十九日
場所は格闘技の聖地といわれた
雲南省青牙山山頂火口…
当時雲南地方で勢力を二分し 抗争にあけくれていた 南陽拳と北陰拳の戦いに 終止符を打つべく 時の皇帝の命により 双方およそ三百人からの全弟子を 天秤にかけ 両派最高師範が その存亡をかけて戦ったという 勝負は北陰拳の勝利に終わり 敗れた南陽拳は全滅し 拳法史上から姿を消した 民明書房刊「拳法興亡史」より | ||
氣功闘法(きこうとうほう)…第10巻 90話 | ||
氣とは人間の肉体のもつ
生体エネルギーのことを言う
本来人間だれしもがもつ
エネルギーではあるが
これを武術として応用するには
並はずれた修練が必要と
されている
この氣を引きだすことを 氣を練るといい 一定の呼吸と動作の反復組合わせ によりなされる その力【管理人注:エネルギー】は驚異的なものであり 一例として中国の氣功闘法の達人は 己の髪の毛に氣を注入することにより これを針金のごとく化し これで敵の急所を突き 一撃のもとに絶命させたり 同じく氣を注入した紙片でもって 岩石をもまっぷたつにしたという 民明書房刊「氣-その効用と実践」より | ||
辮締旋風大車輪(べんていせんぷうだいしゃりん)…第11巻 101話 | ||
中国清代初期 辮髪の習慣を活用した
幻の拳法があった
修行には重さ100貫20寸角の雫鋼鉄【管理人注:だこうてつ】を
吊るし頭髪と首を鍛えたという
この拳法を会得するためには
最低3個の雫鋼鉄を持ちあげ 自在に
ふりまわすだけの技量が要求された
ちなみに現代でいう 「借金で首が回らなくなる」 という表現は 当時 雫鋼鉄が非常に高価なため 途中で買えなくなり修行を断念した者が いたという事に由来する 民明書房刊「中国拳法大武鑑」より | ||
翔穹操弾(しょうきゅうそうだん)…第11巻 103話 | ||
中国三千年の歴史をもつ
漢方医学を応用した拳法
長さ5ミリほどの銀製の礫を
打ち込むことによって
人体の筋肉組織の結節を刺激し
その腱反射で相手の五体を 自由自在に操った この技の極意は礫を相手の結節に 寸分の狂いもなく打ち込むことにある ちなみに この技を完全に 会得したものは 中国拳法の 長い歴史の中でも三人とは おらず至難の業とされている 民明書房刊「知られざる秘拳」より | ||
抛託生の行(ほうたくしょうのぎょう)…第12巻 105話 | ||
戦国時代屈指の名将といわれた
毛利元就が天下分け目の
砥石が原の合戦の折に戦場に
送り出した隆元・元春・隆景の
三人の息子と危険と苦しみを
わかちあい
戦勝を祈願するため中国秦代の
韓信将軍の故事にのっとり
おこなったのが最初とされる
戦場にある者に対する 深い愛情なくしては できない荒行である ちなみに現代でも使われる 親が我が子を思う気持ちの強さを たとえていう 「毛利三綱の情」とはこれより発する 民明書房刊「戦国武将人情譚」より | ||
攪音波催眠(かくおんぱさいみん)…第12巻 108話 | ||
音の波長が人間の脳に与える
影響を利用した一種の催眠効果
音の周波数を変化させることにより
脳の前頭葉を刺激し さまざまな
幻覚状態を現出し相手の精神をも
自由自在にコントロールする
ちなみに現代では ABC兵器を越える 未知の威力を秘めた戦闘法として 米ソ間で開発競争が行われている 民明書房刊「大衆操作暗黒史」より | ||
乖宙浮遊體(かいちゅうふゆうたい)…第12巻 111話 | ||
一般に蝙蝠の空中揚力の強さは
知られるところであるが
中国河南省山奥に生息する攣鵠蝙蝠【管理人注:れんこくこうもり】は
その揚力が5kgもあるといわれる
元朝中期 青巾賊の乱の折り
元軍の都尉・安史明は この蝙蝠20匹を使い
万里の長城を越え 敵を攪乱する
ことに成功したという
これを応用し多彩な変化技を 加えて成立したのが 乖宙浮遊體であり 怪拳として世に恐れられた 民明書房刊「世界の怪拳・奇拳」より | ||
纒 | ||
その語源は動いている針と針の
先端同士を合わせることにあり
人間のもつ動体視力と精神集中力を
極限にまで鍛え高めた時
初めて出来る見切り技
地上10mの高さから下面中央に
鉄針のついた岩を落とし
口にくわえた鉄針で受けとめるのが
その練習法である
最初は5kgの岩から始め 徐々に 重さを増やしていき これを会得 したというには300kgの岩を 受けとめることが出来ねばならない 民明書房刊「中国拳法修行大鑑」より | ||
無明察相翫(むみょうさつそうかん)…第13巻 115話 | ||
中国拳法 その三千年の歴史において
最大の秘技として知られている
その特色は 現代でいう
行動心理学のケッペルの法則を応用し
相手の動きを 完全に予測することにある
ケッペルの法則とは 人間が ある一定条件下で
心理的圧迫状態に陥った時
年齢・性別・知力・体力・性格にかかわらず
すべて同様の行動パターンをとることをいう
これは 人間以外の動物にも あてはまり 一例をあげれば 箱の中につくった迷路に ネズミを放し ある刺激を与えると 全てのネズミは 同じ順路を通り 逃げまわる 現代最高峰の心理学理論を 応用した拳法が すでに存在していたとは 驚嘆のほかはない 民明書房刊「中国拳法-その科学性-」より | ||
蛇血誓闘(スネークブラッドコントラクト)…第13巻 117話 | ||
古代ギリシャのコロシアムにおいて
因縁のある試合に 完全に決着を
つけるために行われた決闘法
その起源は ギリシャ格闘士史上最強の 勇名を競いあっていた ヘドビウスとダビウスが ミロス王の発案により行ったのが最初とされる ちなみに あまりに有名なギリシャ特産の シラキューズ酒には グリーク・ティナコンダの 血が入っており 男たちが景気をつける時に これを まわし飲みする風習は これに由来する 太公望書林刊「エーゲ海-古代格闘史の浪漫-」より | ||
ベラミスの剣(つるぎ)…第13巻 119話 | ||
古代ギリシャ神話時代 永遠のライバルと
いわれた 闘いの神 ベラミスとマルスは
その実力において まったく互角であり
幾多の死闘を経ても 決着は つかなかった ある時 マルスは一計を案じ 試合前 密かに ベラミス愛用の剣を そっくり同じ形ながら ほんのわずか重い剣に 取りかえた それと気づかぬベラミスは ふだんよりわずかに 重い剣のため おくれを取り 敗れ去った 極限まで互角のふたつの力が 競い合う場合 どんなにささいな事であれ 狂いを生じれば そこに優劣が出来てしまうということである 太公望書林刊「ギリシャ神話に見る現代人への教訓」より | ||
耽幽香(たんゆうこう)…第13巻 123話 | ||
インド最後の秘境・カシミール地方
タングール山頂付近にのみ群生する
ジャコウ科耽春草から抽出された
特殊成分を利用してつくられる秘香
そして その香は 幻覚既視感
(ハルシネ・デジャヴ)を起こさせる
ことにより 過去に実視した景色を
吸引した者の意識の中に
具現化する効果がある
ちなみに この耽幽香は 密教僧達の間で瞑想禅の儀式の際 輪廻転生への悟りを開く鍵として 用いられることで有名である ただし これを過剰に吸引すると 運動機能が麻痺し肉体に害を与える ため その使用・所持については 法で厳しく規制されている 太公望書林刊「世界幻覚大全」より | ||
膨漢丹(ぼうかんたん)…第14巻 126話 | ||
現代薬学でいうプロタイン系
アスコルビンマイシン
18世紀末 英国貴族の間では
その富と権力を象徴する証は
太っていることであった
そのため 当時の貴族達は
腹部の大きさを競いあった
こういう時代背景にあって
各貴族の御用科学者達が
腹部を膨張させる秘薬の開発を
命じられたのは当然の
なりゆきであったといえよう
そして その薬を最初に発明 したのがエジンバラ公お抱えの E・ベルツ博士であった この薬は現代では当然 無用の 長物であり 役に立たない物の ことを 英語で VELT'S INVENTION というのは これが語源である 太公望書林刊「英国貴族の習慣・風俗」より | ||
錯距効果(さっきょこうか)…第14巻 128話 | ||
動く物体を注視する時
その距離と大きさの変化が
人間の眼に及ぼす
錯覚の一種
野球における投手と打者の
関係を例にとれば
同じ大きさの球を
同一距離・同一速度で
一定時間 連続して投げ
それを 打ち続けたとする
その時 突然
わずかでも小さな球を
投げると それまでの
状態に 慣らされていた
打者の眼は その変化に
気づかず 距離感を誤まり
ことごとく振りおくれ
空振りしてしまう
このように人間の眼とは
正確無比にみえても
あてにならぬものである 太公望書林刊「眼球大脳生理学」より | ||
極武髪(きょくぶはつ)…第14巻 132話 | ||
古代中国拳法界に
おいては その頭髪の
結い方で技量の段位を
表わす制度があった
その段位は 上から
甲武髪・乙武髪・丙武髪
などと呼び その
最高峰として存在した
のが、極武髪である
一見 無造作に束ねた
だけの 名誉の髪型を
許されるのは最高度の
修行を経て 頂点に
達した者だけであり
千人にひとり出るか
出ないかと言われた 太公望書林刊「世界頭髪大全」より | ||
咆竜哮炎吐(ほうりゅうこうえんと)…第15巻 133話 | ||
中国拳法に於いて 異端と
された 蘭家南宋派が
創始したといわれる秘術
その特色は 黒炸塵を
体内に吸入し 凄まじい
勢いで吐き出すと同時に
左右両刀で火花を起こして
着火させ 炎を放射する
それに ひるんだ相手に
両刀で攻撃を加える技である
この技の要諦は 驚異的な
肺活量にあり 10m離れた
ロウソクの火を ひと息で
消すことが出来なければ
習得は不可能といわれる
黒炸塵とはニトロラーコ系の
微粉火薬であり 吸飲しても
人体に害はないが わずかな
衝撃で発火する性質を
もつため その取り扱いには
細心の注意が必要とされる 太公望書林刊「中国拳法-火の考察-」より | ||
雪ネズミ…第15巻 135話 | ||
哺乳類食肉目鼠科 学名コウゲンシロネズミ
主に 標高六千米以上の中央アジア雪原に
棲息する小動物
その特質は 体の大きさに比して
強靭な力をもち 敏捷性に優れている
ことである
常に雪中生活を強いられるため
前肢が モグラの土かきのように発達し
別名 雪モグラとも呼ばれる
その肉は 大変 美味であり 中国宮廷料理の極・満漢全席の 主盆とされている 太公望書林刊「動物棲息類聚」より | ||
宝竜黒蓮珠(ぽーろんこくれんじゅ)…第15巻 139話 | ||
その発祥は 東アジア 宝竜半島とされ
現代では 世界全域に
その勢力をもつ 暗黒組織である
その掟は 非常に厳しく 全ては血で清算される 世界の重大暗殺史の陰には 必ず彼等の姿が あるという 太公望書林刊「暗黒組織類聚」より | ||
死頂盃(しょうたおぺい)…第15巻 141話 | ||
古代中国拳法界において
その規律の厳しさで知られた
功![]() この制裁を受けるのは 拳法家としての 名誉を 著しく傷つけた場合に限られ 決して報われぬ絶望的努力をしながら 死んでゆくのである ちなみに 現代で 無駄な努力をする 人のことを 盃野郎というのは これに源を発する 太公望書林刊「世界残虐刑罰史」より | ||
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その源流は中国秦代 時の
権力者達の暗殺の道具として毒蛇を飼い慣らした
事に発する 訓練された蛇は その敏捷性と
賢さによって どんな堅固な守りも潜りぬけ
必ず目的を達したという
拳法が隆盛を極めた 当時 この蛇を使った 流儀が生まれたのも当然の なりゆきだった その実体は名のみで だれも 知らぬ なぜならば数千年の 中国拳法史にあっても その 拳と対して生き残った者は おらぬ必殺拳とされている からだ 民明書房刊「暗殺秘話」より | ||
王家の谷の守護者達(ファラオ・スフィンクス)…第16巻 150話 | ||
紀元前三千年
世界最古の文明を誇る
古代エジプト王朝では
歴代の王【管理人注:ファラオ】は その富と権力の証として 巨大なピラミッドを構築し 莫大な財宝と共に 死の眠りについた そして この王家の谷と呼ばれる一群の ピラミッド地帯を守るため 最強精鋭の闘士をよりすぐり 「王家の谷の守護者達」と名づけた 彼等は中国拳法とは 異質の特殊な格闘術を 発達させたが 対戦して 生き残った者が皆無のため その技の正体は一切不明である なお 彼等は 不老不死の肉体をもち 五千年を経た現在でも 砂漠の一隅に潜み その技を 伝えているという説があるが 確認されていない 民明書房刊「ツタンカーメンの逆襲」より | ||
甲冑軍隊蟻(かっちゅうぐんたいあり)…第17巻 153話 | ||
学名(エジプティアン・キラー・アント)
体長20ミリ 別名「砂漠のピラニア」と
いわれるほどの凶暴性と集団性に
特徴がある
百匹のこの蟻が
集まれば
駱駝一頭を
三分以内に白骨化してしまうという
知能も高く 飼育すれば人間の命令にも
従うようになる為 古代エジプトでは
麻製の手袋に この蟻を詰め
労働力の補助としていた
ちなみに現代でも エジプトでは 忙しくて
人手が欲しい時 「蟻の手も借りたい」と
表現するのは これに源を発する 民明書房刊「実用動物事典」より | ||
晏逅寺軟體拳(あんこうじなんたいけん)…第17巻 156話 | ||
一般に酢が人間の体を柔軟にする
成分(ピノドキシン)を多量に含有する
ことは知られている
この性質を応用し 特殊な拳法を
編みだしたのが 晏逅寺軟體拳である
その修行者は この世に生をうけた時より
酢を満たした大瓶の中で生活・成長し
超柔軟な体質をつくりだしたという
その人体構造学の制約を越えた拳法は 必勝不敗の名をほしいままにした ちなみに 現代でも副食品として身近な ラッキョウは この軟體拳の達人であった 陳辣韮が日日の糧を得るため 修行中に 自分の壺に実を漬け 製造・販売したのが その名の由来とされている 民明書房刊「世界の怪拳・奇拳」より | ||
渦龍天樓嵐(かりゅうてんろうらん)…第18巻 161話 | ||
中国槍術 その最高峰にあり
槍聖とあがめられた 呂朱根【管理人注:ろしゅこん】が創始したと
いわれる幻の秘技
槍を すさまじい勢いで回転させることにより 小竜巻ともいうべき乱気流現象を起こし その風圧で相手を撹乱した その威力は空に飛ぶ鳥を落とし 雨の日は 頭上で回転させれば 傘のかわりをも なしたという ちなみに現代でも 突然の雨にあった時 雨をやませるまじないとして 棒切れを拾い 頭上で回転させる老人の姿が しばしば 見られるのは この名残である 民明書房刊「武道達人逸話集」より | ||
蛇墨輒闘(じゃぼくちょうとう)…第18巻 165話 | ||
数ある中国拳法諸流派の内 その苛烈さで
知られる赤狼流総帥選出時に行われる決闘法
墨液を膝の高さまで満たした 二間四方の水槽に
全身が黒一色で猛毒をもつ 黒咬蛇を放ち
その中で闘う 黒咬蛇の見ようとも見えぬ
恐怖の中で闘うことは
拳法の技量以上に 強靭な
精神力が要求されるのは
いうまでもない
もちろん 運不運も 大きく作用する ちなみに 現代でも必死に 努力してるにも かかわらず報われぬ事を 「黒蛇に足元を咬まれて いる」と表現するのは これに由来する 民明書房刊「世界死闘決闘百選」より | ||
鶴脚閃走術(かくきゃくせんそうじゅつ)…第18巻 167話 | ||
中国拳法史上 幻とされる
三大奥義のひとつ
その発祥は 中国版
巌流島の決闘として名高い
陳宗明と泰報刻の
台南海岸の決闘の折
足場の悪さを克服する秘策
として 陳宗明が咄嗟に
編みだしたとされている
この技には 強靭な腱力は
もちろんのこと 絶妙なる
均衡感覚と 卓越した体術が
必要なのは言うまでもない
後に これを発展させた
数かずの応用技が生まれた 民明書房刊「中国日本武術交流秘史」より | ||
煇光蛍(こんこうほたる)…第19巻 169話 | ||
学名エジプティアン・ネオム・ファイアーフライ
体長約20ミリ ナイル川流域に棲息し 極めて明るい光を
放ち その集団性と知能の高さで知られる
古代エジプトでは ガラス瓶に入れ 家庭での照明と
して 各家庭で使用されていた
また その特質を利用し どんな
隊形でもとれるよう調教した
一群のこの蛍を 夜空に放ち
戦時の軍事伝達や商店の広告看板
として 大いに用いた
しかし あまりの乱獲がたたり
7世紀初頭には絶滅が確認された
ちなみに 現代 都会の夜空を彩る
ネオンサインの語源は この蛍の
学名にある「ネオム」に由来する 民明書房刊「驚異の昆虫世界」より | ||
梁山泊(りょうざんぱく)…第19巻 174話 | ||
起源十一世紀
古代中国
動乱と野望渦巻く
宋の時代-
時の権力に反旗を翻し 天下に受け入れられなかった 豪傑・名将達が集い 別天地をつくった 彼らは 自然の利を たくみにいかした 一大要塞を築き上げ いかなる大軍の攻撃をも 撃破した その名を梁山泊- そこでは 広大な中国全土から 集結した諸流派の 名だたる拳法家・武道家達が 昼夜を問わず 凄絶なる修行・研究を重ね やがてそれは 梁山泊馮翊拳と呼ばれる ひとつの新しい流儀の 完成を見るに至った その秘技の数数と 想像を絶する 圧倒的な戦闘力は これを極めた者 ひとりで 兵士千人分に 値するとさえ 畏怖された 後に梁山泊軍が 皇帝の命により行った 大宋国平定は この力によるところが 大きかったのは いうまでもない 民明書房刊「武の中国史」より | ||
纒 | ||
棍法術最強の流派として名高い
![]() 民明書房刊「スポーツ起源異聞」より | ||
指撥透弾(しはつとうだん)…第20巻 180話 | ||
弓術至高の流派として名高い 千弦流の開祖
弓 栄喚が編み出したという究極の秘技
5本の指を弓に見立て 目に見えぬほど細い
羊の腸で作られた糸を弦とし
これもまた 目に見えぬ 鯨のヒゲからけずり出した 矢4本を 同時に放つ必殺技 これからもわかる とおり 二度目は きかぬ一撃の技だけに その意図を悟られぬ ようにすることが この技の要諦である ちなみに この技は暗殺術として最適のため 時の皇帝・貴人の前では相手に向かって 手を開くことは 固く禁じられていた 民明書房刊「中国宮廷儀礼典範」より | ||
跳蚤器(ちょうそうき)…第20巻 183話 | ||
中国歴史上のなみいる英雄・豪傑の中でも
勇名をはせた 東門慶将軍が発明したとされる
東門慶将軍は背が低かったが それを補うため
頭上からの攻撃の有利さと敏捷性を
得られる この跳蚤器を考案し
大きな戦果をあげた
当然のことながら この跳蚤器を
自在に使うには 強靱な筋力と
卓越した均衡感覚が必要である
ちなみに 現代でも 男子生誕の折 螺旋状に型どった麺を 頭上にのせて 勇敢に成長するよう 祈願する風習があるのは この名残りである 民明書房刊「中国武具-その創造と継承-」より | ||
疆条剣(きょうじょうけん)…第20巻 185話 | ||
西洋の剣法として盛んなフェンシングは
ヨーロッパが発祥の地とされていたが
その源流は はるか中国秦代に
さかのぼるという説がある
この剣は 針のように細く鋭利に
とぎすまされている為
わずかの力で 素早く
相手の急所を
突くことが出来る
これを 中国拳法と 融合させ 数数の秘技を編み出し 必殺の武術として 完成させたのが ![]() 民明書房刊「世界スポーツ奇譚」より | ||
操蜂群拳(そうほうぐんけん)…第21巻 187話 | ||
一般に蜂の特異な集団性は知られる所であるが
中国拳法においては 三匹で刺せば 猛牛さえも
絶命させるという
禽虎蜂【管理人注:きんこばち】を調教し
利用した殺人拳が
編み出された
このため
これが暗殺の道具
として用いられる
ことを恐れた
古代中国 時の権力者たちは
蜂を飼うことを厳禁した 民明書房刊「 ![]() | ||
轢鋲球(れきびょうきゅう)…第21巻 190話 | ||
古代中国 戦乱の時代
屈指の名将として
名高い周の范公将軍が
考案したといわれる
機動兵法
特に敵が大集団の 場合に その威力を発揮し 天下分け目の決戦として知られた 黄原の戦いにおいては 范公将軍 自らが 率いる 轢鋲球 わずか三騎で 敵である呉軍 一千騎を大混乱に 陥いれた【管理人注:陥れた】という ちなみに 余談ではあるが この轢鋲球は 平衡感覚の 向上に最適であるため 第二次大戦中 世界各国の空軍で 飛行訓練方法として 用いられた 民明書房刊「世界古代兵器大鑑」より | ||
翹磁大撥界(きょうじだいはっかい)…第21巻 191話 | ||
中国拳法中興の祖といわれる
犂明流 珍宝湖【管理人注:れいめいりゅう ちんほうこ】が 自らの
秘拳修行の為 玉仙山に籠った時
開眼した門外不出の秘奥義
当時 玉仙山には1立方センチ
あたり 5万5千ガウスという
超磁力を持つ太極磁石が産出し
これを拳法に結びつけることに
より 完成した
つまり磁石にはS極とN極があり
異極間では強い反発力を生じるが
同極間では強い反発力を生じる
この原理を応用した訳である
すなわち敵の武器に太極磁石粉を
附着させ 同極の太極磁石で
出来た防具類を着用すれば
それは無敵の防御幕(ボディー・
バリア)となるのである
現代でも 第四のエネルギーと
いわれる磁力(マグネット・パワー)
の応用範囲は 軍事・運輸・発電・
宇宙開発と 多岐に渡っている 民明書房刊「大磁界」より | ||
體動察(たいどうさつ)…第21巻 195話 | ||
肉体には 運動を起こす時
大脳から意思を伝達する運動神経の
中継機能をもつ體動点がある
この 全身に張りめぐらされた
體動点の変化を見極めることを
拳法に応用し 完成させたのが體動察である
ちなみに 目の周りには特に 體動点が集中し 「目は口ほどにものを言う」 というのは このことを証明するものである 民明書房刊「医学的見地より考察した中国拳法」より | ||
鶻宙身の法(かっちゅうしんのほう)…第22巻 197話 | ||
数ある中国拳法秘奥義の中でも最高峰に位置する技
この技の真骨頂は ある一点に着地する時
その全体重がかかる寸前に 次の一点に 素早く
連続移動し 一点あたりにかかる負荷を
無に等しくすることにある
この究極の身軽さを
得るには 指一本で倒立し
地に並べた卵を 潰さずに
移動しつづけるだけの
修練が必要である
この鶻宙身の法を応用した
最大の秘奥義が 鶻宙扇舞殺 である 民明書房刊「独習中国拳法」より | ||
凶 | ||
中国拳法屈指の奇襲策として知られるこの技の発祥は
秦代末期の李筴振【管理人注:りばしぶる】と陳栄公の 紅原の決闘 にある
はるかに技量の勝る陳に対して 李は己の甲冑すべてを
表裏逆に着用し 後ろを向いていると錯覚させ
油断し 近づいてきた陳を一撃のもとに
倒したという
後に 関節を逆にするまでに発展させ 完成したのが 凶 ![]() ![]() 太公望書林刊「シルクロードの彼方」より | ||
噴血針(ふんけつしん)…第22巻 203話 | ||
古代中国医術で用いられた
医療器具
これを体内に打ち込み
血液のもつ浸透圧の差を
利用することにより 体内に
たまっている悪い血や膿を
体外に排出させる
すなわち 現代医学でいう タンジェリン・カテーテルである 数千年もの昔 このような現代最先端の 医療原理が存在したとは 驚嘆のほかはない 民明書房刊「中国古代吃驚医学大鑑」より | ||
| ||
広く知られているように 自然界には 電気ウナギ・電気クラゲ
のような 体内に発電器官をもつ生物が数多く存在する
人間の血液にも 微量ながら電流を帯びたイオン質が含まれている
それを修練により増幅させ 強力な電流とし その刺激で
敵を怯ませ 倒すのが
中国拳法秘中の秘と
いわれる![]() 民明書房刊「中国電化大革命史」より | ||
ラ・メルヴェル…第23巻 211話 | ||
17世紀フランス ブルボン王朝では
貴族政治の退廃は極限に達していた
彼らは退屈をまぎらわすべく 囚人相手に
恐ろしい拷問法を
考案した
それがラ・メルヴェル
であり 毒を飲まされた
囚人が 解毒剤を求め
割ることの不可能な
鉄球相手に
もがき苦しむのを見て楽しんだという ラ・メルヴェルとは この鉄球を 意味し 現代でも フランス各地の博物館に現存する 民明書房刊「西欧文明-その爛熟と退廃-」より | ||
操象戮 | ||
陸上最大の生物・象は 最大の破壊力をもつことで
有名である
象の欠点として 鈍重な動きがあるが それを
特殊な訓練法により 恐るべき敏捷性を身につけさせ
これを 数々の秘技をもつ戦闘法として
確立したのが 古代インド人である
古代インドでは 戦争の時 象の多寡で勝敗が決する
とさえ言われた
ちなみに 英語で象をエレファントというが これは 当時 象の訓練を インド洋上のエレファン島で 行っていたことが 語源といわれる 民明書房刊「闘う動物大百科」より | ||
ラーマ・ヨガ…第24巻 216話 | ||
一般に インドに伝わるヨガの神秘性は広く知られるところであるが
その中でも 別名「黒ヨガ」と呼ばれ その奇跡に近い数々の秘奥義で
恐れられるのが このラーマ・ヨガである
その特異性は 骨の骨細胞組成さえも変え 自由自在に変形させる ことを可能にすることにある そして 黒ヨガと別称されるように 驚異の殺人格闘技として発達した ひとりで千人の兵にも匹敵する戦闘力のすさまじさゆえに 時の藩主【管理人注:マハラジャ】達に 弾圧され 継承者は絶えたと伝えられている 民明書房刊「インド人も吃驚!ヨガの奇跡」より | ||
狼蒼拳(ろうそうけん)…第24巻 219話 | ||
一般に 狼の絶大な戦闘能力は
知られるところであり それを
拳法家達が 見のがすはずはなかった
だが 狼は極端に警戒心が強く
人に慣れぬため 生後三か月の男子を
狼に育てさせ
それを克服するという
方法をとった
現代でも 時々 狼少年発見の報道があるが 修行過程の少年を それと知らず 人間社会に 連れ出したものである 太公望書林刊「狼少年-拳-」より | ||
地獄相撲(チャガ・ポルテ)…第25巻 223話 | ||
世界各地に 日本の相撲に類似した格闘技が点在するが
特に有名なのは モンゴル相撲である
その歴史は古く ジンギスカーンの時代までさかのぼるという
勇猛果敢な騎馬民族である彼等は 戦闘訓練の一環として
好んでこれを行った
中でも 17世紀に時の暴君・ジミヘカーンによって発案された
地獄相撲は 地上15メートルの高さに
土俵を作り そこで生死を賭けて
戦うという 凄まじい
ものであった
ちなみに現代の日本の相撲で使う 「どすこい」という掛け声は この地獄相撲最強の戦士として 知られた「ドスコイカーン」の名に 由来するという説もある 民明書房刊「相撲人生待ったなし」より | ||
水龍 | ||
古今東西 武道家同士が
その雌雄を決すべく行なう
決闘法は数あるが 中でも
モンゴルに伝わる水龍![]() 水中では 当然 闘う時間は限定され しかも水の抵抗により 動作に通常の3倍もの 体力を消耗するため その苦しさは想像を絶した ちなみに この決闘法で負けた者を モンゴル語で「ドザイ・モーン」(水死の意)と言い 日本で溺死体を「土左衛門」と呼ぶのは これが語源である 民明書房刊「泳げ!騎馬民族」より | ||
モングール・ピラニア…第25巻 227話 | ||
一般にピラニアの獰猛性は知られているが
中でも 蒙古・オリノル川に棲息する
モングール・ピラニアは 体長も大きく 特に凶暴で
土地の人々には「水中の悪魔」として恐れられている
その牙は百匹も集まれば 水浴びに来た水牛を
ものの十数秒で 白骨だけにしてしまうという ちなみに その肉は大変な美味とされ 燕の巣・熊の掌と並ぶ満漢全席三大珍味の ひとつとされている 民明書房刊「喰うか喰われるか!!世界食通事情」より | ||
硫 | ||
その起源は蒙古中央部で
盛んに行われていた![]() 後に製氷技術の発達と共に 三次元的 動きを加味するため 樹を模した 氷の上で闘うようになったのが 硫 ![]() 民明書房洋書部刊「SKATER'S WALTZ」より | ||
砕氷凍界(さいひょうとうかい)…第25巻 229話 | ||
蒙古究極の決闘法・硫![]() ちなみに このカクゴールは氷の王者の象徴 として 常に 氷一文字の旗を背負っていた 現代日本でも 夏の巷に見られる かき氷屋の旗は これに由来する 民明書房刊「かき氷屋三代記-我永遠に氷をアイス-」より | ||
灼炎畷掌(しゃくえんていしょう)…第25巻 230話 | ||
人間の平熱は36~37度であるが その発する総熱量は
およそ10万キロカロリーにも及ぶ
その熱量を 均等に人体に配分する働きを持つのが
柱脊神経であるが 想像を絶する修行により
それを自在に操り 熱を人体の一点に集中することを
可能にするのが 灼炎畷掌の要諦である
この時 その温度は850度にも達し
これが 相手の皮膚の分泌物である脂・リン・脂汗などを
一瞬にして発火させるわけである
ちなみに闘志あふれる 様をたとえていう 「燃える闘魂」「燃える男」 という表現は 無意識のうちに 柱脊神経を活動させて いる状態をさす 民明書房刊「人体-その代謝機能の神秘-」より | ||
頭槌鐘砕(とうついしょうさい)…第26巻 233話 | ||
あらゆる格闘技において 手足につぐ人体第三の武器は
頭である しかも その破壊力は手足をも凌ぐ場合がある
中国拳法に於いては ことのほか重視され
武闘家達は 頭を鍛えることに精進した
その修行方法の究極が頭槌鐘砕であり これは寺院の鐘を
撞木のかわりに頭で突くという荒行であった
これを極めた者の頭は瘤が固まり 骨も変形し
金槌のような強度・形態を有したという
中でも 達人中の達人の 撞く鐘の音は なんと 周囲十里(約40km)にまで鳴り響き 大晦日の除夜の鐘や 災害時の警報としても役立った 民明書房刊「誰が為に鐘は鳴る」より | ||
傀儡窕彭糸(くぐつちょうほうし)…第26巻 234話 | ||
人体の筋肉運動を命令するのは脳であるが
その脳と筋肉各部の中継点となるのが神経節である
ここに 糸のついた極細の針を打ち込み
糸の微妙な操作によって刺激し
相手を自在に操るのが この技の要諦である
その発祥は中国秦代 金の採掘で知られる華龍山とされ
他国からさらってきた奴隷達を効率的に働かせる為に
使われたという
これに 当時の拳法家達が目をつけぬはずはなく 長年の時を経て完成したのが 傀儡窕彭糸である 民明書房刊「中国拳法に見る東洋医術」より | ||
千歩氣功拳(せんぽきこうけん)…第26巻 235話 | ||
離れた所から 氣功法によって発する「氣」という
人体エネルギーだけで敵を倒す「百歩神拳」は
広く知られているが
これを更に強大にしたのが
千歩氣功拳である
数ある中国拳法奥義にあって 至高の技であり 拳を志す者は だれもが習得を夢見るが その修行は 想像を絶するため これを極めた者は数少ない 民明書房刊「氣の科学」より | ||
千日 | ||
この技の要諦は 集中力・反射神経を
極限までとぎすまし 相手の動作を
寸分たがわず 一瞬にして模倣することにある
その修行法は数あるが 代表的なものは 氷柱の下で 滴る水滴を 反射神経のみにより 無意識のうちに かわすことが出来る様に なるまで 禅を組むというものである もちろん 卓越した体術が必要なのはいうまでもない ちなみに現代でも残る格言に 「人のふり見て我がふり直せ」とあるのは この修行訓の名残である 民明書房刊「中国の奇拳-その起源と発達-」より | ||
赤鞭斬(レッド・ウィップ・ジェノサイド)…第27巻 241話 | ||
帝政ローマ時代
奴隷達を処罰する為に
用いられた武器
この鞭の特徴は 鋭利な刃物が間隔を置いて 仕込まれており その為ひねりやしなりが 自由自在という点にある 赤鞭の名は 常に その皮部分が 人の血の色に染まっていた ことに由来する 民明書房刊「世界拷問史」より | ||
騎馬戦車スコルピオン(きばせんしゃスコルピオン)…第27巻 242話 | ||
古代ローマ帝国の英雄・カエサルが
考案し使用した伝説の兵器
その威力は絶大で ラビオーリの戦いでは
敵国メルビアの兵一万を このスコルピオンと
名付けた騎馬戦車わずか十両で壊滅させたという
その秘密は驚異的な装備・仕掛けにあり
まさに当時としては超近代兵器だったわけである
ちなみに二十世紀の戦車設計にも そのアイデアは数多く取り入れられている 民明書房刊「世界史にみる現代兵器の源泉」より | ||
暹氣龍[虎]魂(しんきりゅう[ふう]こん)…第27巻 247話 | ||
中国拳法において 人体最後の神秘とされる
「氣」エネルギーを利用した技は数あるが
中でも その最高峰とされるのが これである
この技の要諦は「氣」を刀身に集中し 龍(虎)の形をした
衝撃波として繰り出すことにあり
その圧倒的な破壊力に比例して 消耗度も大きい為
短時間に連続して撃つことは不可能とされる
ちなみに 同等の実力をもつ者同士が闘う様を 「龍虎相打つ」と表現するのは これが源である 民明書房刊「中国秘拳満漢全席」より | ||
炎刀 | ||
達人同士が その雌雄を決する為に
考案された決闘法は数あるが 中でも
その極にあるのが炎刀![]() 民明書房刊「炎の武将・織田信長」より | ||
壟義盾行(りょうぎじゅんこう)…第28巻 251話 | ||
戦国時代 屈指の名勝負として名高い
武田信玄と上杉謙信の川中島の戦いの折
上杉方の武将・直江兼続の斥候隊が
武田方の弓部隊の待ち伏せに遭遇し
窮地に陥った時に考案された戦法
死を決した
四名の勇士が
雨あられと
飛来する
矢に対し
互いに
しっかりと
肩を組み
自らの体を
盾として
前進し
突破口を開き
後に続く
味方が
敵を全滅
させたという
以後 その戦法は
至高の陣形とされ
盾となった四名は
上杉家の軍神として讃えられた ミュンヒハウゼン出版刊「心に残る戦国名勝負100選」より | ||
瞬皦刹駆(しゅんきょうせっく)…第28巻 252話 | ||
素早い動きを基礎とした秘奥義は
中国拳法にも数あるが 中でも
最高峰とされているのが この瞬皦刹駆である
この技の修行法は 硫酸池に浮かべた
不溶性の紙片の上を 驚異的早さで駆けぬける
というものであり 失敗すれば即死の
恐るべき荒業であった
これを成し遂げ
達人の域に達した者は
瞬きする間に
二十間(約36m)を
移動したという
余談ではあるが 我々が親しんでいる「かけそば」は 当時 修行者達が 座して食べる暇を惜しみ 器をもって 駆けながら食べたそばが その名の由来である 太公望書林刊「貴方にも出来る!中国拳法修行百科」より | ||
剣座天 | ||
戦国時代中期 時の侍・武将達が 己の勇気・胆力を
誇示し 競う目的で行われたのが その発祥である
いつ落下するとも知れぬ剣山の恐怖のもとで耐えるには
卓越した精神力を要求されるのは いうまでもない
当時は隆盛を極め「これをやらねば侍にあらず」とまで
言われたが 恐怖の余り発狂したり 逃げ遅れて
死亡する者などが続出した為 諸大名は これを禁止した
現代でも 一部地方では 青年達により
村おこしの余興として行われ 観光振興に一役買っている 民明書房刊「戦国決闘異聞第七巻」より | ||
透闇視(とうあんし)…第29巻 260話 | ||
通常 完全に遮光した場所において 普通人が
物体を見ることが出来ぬのは 当然であるが
それを修行により可能にしたのが透闇視である
格闘家にとり 夜間の闘いは日常茶飯であり
これを極めるか否かは生死に直結した
この透闇視の最高の使い手としては 翔楔流師範・呂 空雛【るう くうすう】が名高く 彼の目は 漆黒の闇の中 一町先を飛ぶカラスさえも 見分けたという まさに 人間赤外線スコープというべきであろう ちなみに 現代でも 光量をあらわす 「ルックス」という単位は 前出の呂 空雛 すなわちルックスの名に由来する 民明書房刊「EYEこそすべて」より | ||
モルグケシ草〔ケシ科〕…第29巻 261話 | ||
一般に麻薬は 植物から抽出されることが多いが
中でも中央アジア北部 カングール地方でのみ
産出される このモルグケシ草は
その強烈な幻覚作用で有名である
これが広く知られるようになったのは
西暦一三二八年 カングール王国が
タンジール王国に
攻められた折
カングール王国の
プルチャガ将軍が
敵軍を このモルグケシ草の群生する花畑に おびきよせ 幻覚作用で 敵を同士討ちさせ 全滅させたことによる ちなみに 現在 このモルグケシ草の栽培は 当局によって厳重に禁止されている 民明書房刊「現代麻薬集成」より | ||
驚 | ||
南アジア一帯には 野生のマーダー・クロコダイルが
多数生息しているが 十八世紀初頭 かの地では
これを飼い慣らし 操る術が発達した
この術を応用し 村人は村の周囲に堀を作り その中に
飼育したワニを放ち 外敵の侵略を撃退したという
このため ワニは守護神として人々に大切にされた
現在でも 南アジア某国には ワニを殺した者は死刑との法律が残存しており 昨年 うかつにも ワニ革のハンドバッグを所持していた 日本人女性が 終身刑となったのは周知の事実である 民明書房刊「クロコダイル・ダンディ-爬虫類よもやま話-」より | ||
魔翔流気法(ましょうりゅうきほう)…第29巻 266話 | ||
太古の昔から 空を飛ぶことは 人類の見果てぬ夢だった
それを最初に実現したのは ライト兄弟とされているが
実は 古代中国の山岳地方に住む抜娉族【管理人注:ばっとうぞく】の手によって
成し遂げられていたという
彼らは 谷間から常に吹き上げる 強力な上昇気流を
利用して空を飛び 交通や軍事に用いた
もちろん だれにでも飛行が出来るわけではなく
選ばれた人間が 過酷な修行を重ねて初めて出来る 技であった ちなみに この技を 会得出来るのは一万人にひとりといわれ 達成者は「抜娉万」と呼ばれ 称えられたという 民明書房刊「バットマンかく語りき」より | ||
鉄騎宙弾(てっきちゅうだん)…第29巻 267話 | ||
拳法において
身のこなしの素早さは
最も重要であるが
それを倍加させる為の
道具が この鉄騎宙弾である
その原理は 至って
単純であり バネと
体重による反発力を
利用した物である
これを発明した 中国漢代の武術師範 宝 浜具【管理人注:ほうぴんぐ】は これを使って 地上30メートルまで跳躍し 当時の人々を驚嘆させたという ちなみに 日本でも昭和30年代に 子供達の間で流行した 同形状の玩具・「ホッピング」の 名称は この発明者・宝 浜具に 由来することは言うまでもない 民明書房刊「玩具に見る古代中国の英知」より | ||
浮木流闘(ふぼくりゅうとう)…第29巻 268話 | ||
その発祥は 開拓時代のアラスカとされ
気性の荒い木樵達同士の揉め事に
決着をつける為の 史上類希なる
苛酷な決闘法であった
もちろん 両者死亡の可能性も高い
危険な
決闘法であり
これに
挑戦する
こと自体が
勇気の証と
された
なお 1930年 当時の州政府によって 禁止されたが 現在でも 密かに行われているという 噂もある 民明書房刊「アラスカ大紀行」より | ||
趨滑襲(すうかっしゅう)…第30巻 271話 | ||
中国明代に
室内戦用に
考案された武器
その特色は
刃の両端にある
極めて弾力性に
富む球状の
特殊ゴムである
これを打ち
壁や床・天井に
反射させ
敵を攻撃した
もちろん
その
反射角度は
精妙な
計算が
必要で
あった
ちなみに 現代の 室内球技・ スカッシュの 原型が これで あることは 賢明な読者の 推察通りである 民明書房刊「室内球技における中国文明の影響」より | ||
垂鼇尖(すいごうせん)…第30巻 276話 | ||
その源流は中国にあるが 江戸中期 主に大工や
畳職人等 手先の器用さを要する人々の間で
その技術と度胸を競い 盛んに行われた
当然 これには技術力はもちろんのこと
並みはずれた集中力を要し 指を落として
しまうのも
日常茶飯事
であった
明治維新
を機に
政府に よって 禁止されたが これを 愛好する者は後をたたず 現代でも 会社や学校で ペンや鉛筆を使い 小きざみに机などを突いて 訓練しているのは よく見かける光景である 曙蓬莱新聞社刊「大江戸流行 JUST NOW」より | ||
天翔椿(てんしょうちん)…第30巻 277話 | ||
その発祥は中国 宋代に起こった青巾族の乱の折
豪傑と名高かった龍兄弟があみだしたことにある
人を頑丈なロープでくくり振り回すという
前代未聞の この技はいわば 意志を持った鎌であり その威力と攻撃力は 絶大なものであった 当然両者には絶妙な 呼吸の一致が要求され 血を分けた兄弟だからこそ なし得る技である ちなみに 現代で兄弟ゲンカの折 兄が弟にひもをつけて 振り回す光景がよく見られるが はたして それが龍兄弟の血をひくものかどうかはさだ かではない 曙蓬莱新聞社刊「世界の名物兄弟-この兄あってこの弟あり-」より | ||
覬相鋼怨面(きそうごうおんめん)…第30巻 278話 | ||
その発祥は中国明の時代 咎人に対し
一生はずせぬ鉄製の面をかぶせるという刑罰である
死ぬまで言葉もしゃべれず 食事も満足に できぬこの状態は
言語を絶する苦痛であり 国家反逆罪等 特に重刑に適用された
それが拳法に応用され
技として確立したのは
超磁気を帯た【管理人注:帯びた】
磁石の発見による
ところが大きかった
磁力を帯て二つに
分割された面が
敵の頭部で結合し
それについている
鎖で 身の自由を
奪われたとき 勝負は
すでについたも
同然であった
この技の発祥以来
脱出できた者は一人
としていないという
ちなみに現代でも
無口で無表情な人が
「鉄仮面」と仇名を
つけられている
場合が多いが
その先祖がこの技にかかって死んだものか
どうかはさだかでない 曙蓬莱新聞社刊「鉄仮面の告白」より | ||
シックス・オン・ワン…第31巻 281話 | ||
アメリカ合衆国の開国当時 銃は
その未開の地にあって 開拓者
たちの生命や財産を守る重要な
武器であった
そうした環境の中では当然射撃の
腕が切磋琢磨され 決闘の場合など
コンマ一秒でも早く引き金を
引けるということは命を左右する
ことであった
その早撃ちの極限とも
言うべきものが この
シックス・オン・ワンで
あり その名の由来は
あまりの早さのために
六連発リボルバーの銃声
全てが重なり 一発に
聞こえたことにある 曙蓬莱新聞社刊「撃って候 早くてゴメン」より | ||
無 | ||
全ての人間の感覚
(視覚・聴覚・嗅覚など)は
その入り口である目や耳
鼻などから それぞれの
感覚神経を経て すべて
中枢神経である脳へと
伝令されて 知覚される
この奥義無![]() 当然 この奥義の使い手は 己が自分の技にはまらぬ よう鍛錬を重ねている ちなみに飼猫などが首輪に 鈴をつけているのをよく 見かけるが 無 ![]() 日本曙蓬莱武術協会理事長 盛田慎之介談 | ||
爆 | ||
苛烈なる中国拳法にあって
自らの敗北を悟り 死を
覚悟したとき 相手をも
道連れにすることを目的と
した一世一代の最終奥義
この奥義の使い手は幼少の
頃より 不消化系の
爆火硝石【管理人注:ばくかしょうせき】などの粉末を 三度の
食膳に混入し 以来 成人と なるまで それらを体内に 徐々に蓄積した そして いざ有事のとき 奥歯に仕込んでおいた発火 マグネシウムを噛み砕き 体内の火薬と化学反応を 起こさせて 相手ともども 爆発したのである この場合 敵と合体する 手段として 刃鋼線などで 相手の動きを封じるのが 通例であった ちなみに現代においても 五目御飯のことを「カヤク 御飯」と呼ぶことがあるが その由来は 前述した 修行者達が 御飯に混ぜた火薬である ことはいうまでもない 日本曙蓬莱武術協会理事長 盛田慎之介談 | ||
天釐蜘巣(てんりんちそう)…第32巻 289話 | ||
中国拳法には猛獣・昆虫・爬虫類などを飼育・教育して独特の
技として完成させたものが多々あるが この奥義もそのひとつ
である。【管理人注:読点は原文まま】
利用される蜘蛛は中国山東省の菊露山にだけ生息するという
禽瓶蜘蛛【管理人注:きんぺいぐも】と呼ばれる肉食性動物であり 体からくり出される
糸はピアノ線並の強度と
瞬間接着剤並の粘着度を
合わせもっている。
性質は飼い主に対して
のみ非常に忠実で
攻撃命令の下った敵に
対しては非常に獰猛無比で
あり 一度でもその
巣にかかれば絶対に
逃れられないという。
未だかつてこの奥義
から抜け出した者は
皆無と伝えられている。
ちなみに英語で蜘蛛の
ことを「SPIDER」
(スパイダー)というが
これは この奥義を
極めんと蜘蛛の調教に挑んだ西洋の武闘家達がことごとく
失敗に終り そのとき発した言葉「失敗だ~」が「スッパイダ~」
→「スパイダー」と変化
したものでないのは
いうまでもない。 日本曙蓬莱武術協会理事長 盛田慎之介談 | ||
體透 | ||
映画や小説などで 日本の忍者が
石や木などを描いた布を自らの身に
覆い 周囲の風景と同化させて 身を
隠すのはよく知られている
中国拳法においては 己の肉体
そのものに 同化すべく風景を
描き 擬態化させていた
当然 この技を極めんとする
者には 卓越した絵画的才能と
戦闘中における筆のすばやさが
要求された
奥義皆伝者は常時 懐中に10色から12色の
染料と絵具を忍ばせていたという
ちなみに1960年代末 サイケデリック
ムーヴメントが華やかりし頃 己の肉体を
キャンバスとして ボディ・ペインティングなる
ジャングル(編注:「ジャンル」の異化)が
あったが これはこの奥義最大の達人といわれた
棒![]() 日本曙蓬莱武術協会理事長 盛田慎之介談 | ||
降龍天臨霹(こうりゅうてんりんへき)…第32巻 296話 | ||
古より 現在に至るまで 世界各地には
人が空を飛ぶという 鳥人伝説が多々あるが
中国においては 金斗山に住むという 仙人が
有名である
本来「降龍」は仙人が四年に一度 民衆の前に
山から下界に降り姿を現すという意味であった
それを現実に拳法に具現化させたのが 中国
拳法史上最大の奥義である この降龍天臨霹で
ある
これを極めるには 両端に羽状形態を有する 杖【管理人注:じょう】・棍などを 尋常ならぬ速さで回転させる 手首の力は勿論のこと ずば抜けた平衡感覚が 必要とされる ちなみに現代のヘリコプターは前述の金斗山に 住んでいたという ![]() 日本曙蓬莱武術協会 武術総師範代 竹乃本秀路談 | ||
宙磁闟斬刀(ちゅうじきゅうざんとう)…第33巻 302話 | ||
知っての通り磁石にはS極とN極があり
異極間には強い結合が働くが 同極間では
強い反発力が働く この原理を応用したのが
中国拳法幻の秘奥義といわれた宙磁闟斬刀で
ある
この技の要諦は あらかじめ闘場となる場所の
地中に 磁界をつくる強力な磁石を無数に
埋めておき 磁気を帯びた鉄粉を混入して
作られた刀剣を用いることにある
つまり土中からの磁力と刀剣の磁力は同極で あり これによって宙に浮かぶのである そして技の使い手は 袖などに隠し持った 超強力な一対の異極の磁石を巧みに操り 縦横無尽の動きを浮いた刀に与え 相手を攻撃するのである 当然 この技に必要とする磁石は中国・ソ連の 一部鉱脈からのみ産出される特殊なものであり 他の金属に反応しないのは言うまでもない 民明書房刊「マグネットパワー-21世紀をこう変える-」より |